盛岡大付は花巻東との「岩手黄金カード」を4-0の白星で飾った。先発の石井駿大朗、エース大久保瞬(ともに3年)の完封リレーで2年ぶりの決勝進出を決め、3年ぶりの優勝に王手をかけた。一関学院は延長13回タイブレークで4番坂本章畝内野手(3年)がサヨナラ打を放って高田を破り、10年ぶりの王者を目指す。決勝は25日午前10時から、岩手県営野球場で行われる。

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一関学院は3-3の13回1死満塁、4番坂本が2球目の真ん中スライダーを捉え、中越えに人生初のサヨナラ打を放った。直前まで5打数無安打。「それまで当たりはなかったが、小綿(大斗)がよく投げてくれた。最後はみんながつないでくれたおかげでヒットになった」と感謝する。後半は相手の佐藤真尋投手(3年)のスライダーが浮き、キレがなくなったことをチームで共有。サヨナラの場面で見事に狙い打ちした。

無死一、二塁から始まるタイブレークで先行の高田に1点を先取されたが、焦りはなかった。一関学院は先頭からの好打順で、主将の1番佐藤颯弥内野手(3年)が初球で犠打を決め、1死二、三塁にチャンスメーク。2番は申告敬遠で満塁になり、続く3番の死球で同点、最後は坂本が仕留めた。

部長から昨秋転身した高橋滋監督(47)は就任後初の夏で頂点に王手をかけた。タイブレークについて「2、3、4番は細かい指示はしないで『打て打て』とバッターを信じていた。最後の場面はうちで一番いいバッター。彼(坂本)を信じ『お前で決めてこい』と送り出した」と振り返る。16年以来の決勝進出だが、前回は盛岡大付に0-1で敗れ、甲子園を逃した。4年分の思いを込めてリベンジを果たす。