聖隷クリストファーは、延長戦の末に常葉大菊川を2-1で退け、2012年(平24)以来、8年ぶりのベスト4進出を決めた。

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聖隷の城西裕太投手(3年)は、最後の打者をカットボールで三ゴロ併殺に打ち取った。この日4度目の併殺を完成させて、準決勝進出。エースは歓喜の涙を流して整列に加わった。「厳しい試合に勝って、自然と涙が出た。打たれて当たり前だと思っていたが、集中打を浴びないように注意した」。丁寧に低めにボールを集め、許した長打は1本のみ。散発6安打1失点無四死球で完投し、堂々たる投球を披露した。

精神面のたくましさも増した。1-0の7回裏、先頭打者に右越え三塁打を許した。「同点は仕方ない。頭の中を切り替えて投げました」。犠飛で同点とされたが、後続を抑えてサヨナラ負けを阻止した。

その後は上島寛大外野手(3年)の中犠飛で奪った1点を守りきり、タイブレークまでもつれた熱戦を制した。上村敏正監督(63)は「以前は、ここぞの場面で打たれてしまうことが多かった。着実に成長しています」と目を細めた。

昨秋は県3位決定戦で、静岡商に敗れて東海大会出場を逃した。「集中力を最大限に高めて戦いたい」と城西。夏の県大会初の決勝進出へ向けて、まずはリベンジを果たす。【古地真隆】