南北海道大会は8日、準決勝が行われ、札幌国際情報と札幌第一が決勝進出を決めた。

昨夏南大会準優勝の札幌国際情報は駒大苫小牧に9-5の逆転勝ちで、初の道大会制覇に王手をかけた。4-5の8回1死満塁で、1番片野晴允(はるみち)一塁手(3年)が走者一掃の逆転適時三塁打を放ち、試合をひっくり返した。札幌第一は札幌大谷に4-1で勝利。夏の道大会決勝は甲子園出場の12年以来。9日、札幌円山で決勝が行われる。

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仲間のために声をからした。駒大苫小牧のエース右腕、北嶋洸太はベンチで試合終了を迎えた。「仲間を信じて声を出していた」。先発して7回3失点。8回からは今夏の道大会初登板した同学年の山に思いを託したが、試合をひっくり返された。

「行けるところまで行くという気持ちだった」。2年春から身に付ける背番号1の責任を背負って投げた。ただ苫小牧中央との準々決勝から右肘の痛みと闘っていた。「言い訳になるので…」。試合中も言葉にはしなかったが、異変を感じた佐々木孝介監督(33)は「苦渋の決断」で交代させざるを得なかった。

同監督は北嶋がエースとなって以降は「何も言うことがなくなった」。黙々と1人練習する姿に周りの選手たちが自然と引っ張られた。敗れた北嶋は言った。「最後はマウンドで笑っていて欲しい」。投げ合った相手右腕・原田を思う言葉に人となりが現れていた。

▽駒大苫小牧・佐々木孝介監督(33) 8回の守りが誤算だったけど、選手が一生懸命やってくれた結果。非常に残念。選手には、高校野球っていいだろと伝えたい。

▽決勝進出を逃した駒大苫小牧の藤原主将 悔しいのひと言しかない。勝つことで自分たちの今までやってきたことが報われると思った。全員に感謝を伝えたい。