ノーシードの星槎国際湘南(神奈川)が第1シードの桐光学園を倒し、4強に進んだ。

勝った土屋恵三郎監督(66)は「高校野球を変えていこうと思う。速い球は打たれる。動く球は打たれない」と大きくうなずいた。前日に「短いイニングで」と先発を伝えた小林匠投手(2年)が、自身初の完投を完封で決めた。最速は130キロにとどまるが、打者の手元で動く球を軸に7回1死まで無安打。2安打2四球の快投だった。

昨夏、1度は投手をクビになった右腕。左の下手という超変則だった父新太郎さんの助言でスリークオーターを横手にし、投手復帰を願い出た。巨人菅野を参考にワンシームも習得。苦手な左打者の外に速く落とし芯を外した。「(無安打は)余裕がなくスコアボードを見ても気付きませんでした」と初々しかった。屈指の激戦区で、投球は速さだけじゃないと証明した。