静岡商が、昨秋県王者・藤枝明誠を6-5で退けた。小西涼登主将(2年)の決勝打で挙げたリードを、小松陸投手(2年)と中沢大賀投手(2年)の継投で守りきった。

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静岡商が“勝ちパターン”で準決勝に駒を進めた。最終9回に1点差に迫られたが、最後は2番手の中沢投手が投ゴロに締め、昨秋県王者に競り勝った。高田晋松監督(50)は「少ないチャンスをものにし、継投で守りきる。今のチームにできる勝ち方を藤枝明誠さん相手にできたことは良かった」と、目を細めた。

昨年からの唯一のレギュラーで4番の小西が先頭に立った。1-1の3回裏1死二、三塁から、左翼フェンス直撃の2点適時二塁打。貴重な勝ち越し点で流れを呼び込んだ。5回にもリードを3点に広げる2打席連続二塁打を放ち、2安打3打点。「満足している」と2回戦まで2安打だった不振から一転、好機を確実に得点につなげた。

チームも応えた。先発の小松投手が、4回5安打2失点の粘投。中沢も5四死球と苦しみながらも3失点と踏ん張り、奪ったリードを最後まで守りきった。小西は「先制されても、守備から攻撃というリズムを崩さなかったことが良かった」と、うなずいた。

準決勝では常葉大橘と対戦する。小西は「目の前の相手にどう勝つか。1試合1試合考えてやっていきたい」と力を込めた。まだまだ経験の浅いチーム。県大会に向け、1試合ずつ成長を続ける。【前田和哉】