静岡地区大会の全日程が終了した。中部地区は、静岡高が7回コールドで常葉大橘に完勝。エース高須大雅(2年)が完封し、地区2連覇を果たした。25校が参加する県大会の組み合わせ抽選会は14日に行われ、19日に開幕する。

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静岡高の高須が、冷静なマウンドさばきを見せた。準決勝で自身初の9回完投を経験した右腕。決勝も「接戦になると思っていた。9回を投げられるように心掛けた」と、力みのないフォームからテンポ良く投げ込んだ。変化球を効果的に使い、常葉大橘打線を翻弄(ほんろう)。7回にはこの日最速タイの138キロを記録するなど、終盤も球威を保ち、1安打無四球無失点に抑えた。

7回の6得点でコールド勝ちを収めたが、6回までは1-0の投手戦が続いた。緊迫した展開の中、74球の好投でチームを中部地区2連覇にけん引。栗林俊輔監督(47)から、「すごく球が走っていたわけではないと思う。それでも安定しているのが(高須の)1番良いところ」と高い評価を受けた。

今大会、全5試合(34イニング)を1人で投げ、3四球1失点と抜群の安定感を誇る。それでも、「ストライクゾーンで勝負をして、テンポをつくるのが自分の投球。1番自信を持っている真っすぐをもっと磨いて、良いテンポをつくれるようにしたい」と、さらなる進化を誓った。19日に開幕する県大会に向け、名門のエースが好調だ。【前田和哉】