東日本国際大昌平が聖光学院を7-6で下し、8強に進出した。

前日(13日)は4回終了時で1-2とリードされていたが、降雨中止で仕切り直し。先発の矢板裕大投手(2年)の粘投もあり7回表まで4-0とリードも終盤、夏の東北王者の猛反撃を辛くもかわし、逃げ切った。福島東はエース鈴木征士朗(2年)が会津打線を7安打1失点に抑え4-1で勝利。準々決勝は19日に行われる。

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最後の最後まで、絶対王者・聖光学院のプレッシャーに耐え続けた。8回まで10安打を浴びながらも、決してリードを許さなかったエース矢板から、9回は1年生の草野陽斗投手がマウンドに上がった。先頭打者を打ち取ったかに見えたが、遊撃手と左翼手が交錯し、二塁打となる。絶対王者の反撃にも、浮足立つことはなかった。ここから3連続でアウトを取り、最後は全員で歓喜を爆発させた。

仕切り直しをプラスにとらえた。前日は4回終了、1-2の場面で降雨中止に。矢板は「初回に1点を取ったので互角で行けると思った」。帰りのバスですぐにミーティングを行い士気を高めた。相手のスラッガー坂本寅泰外野手(2年)には本塁打を打たれたが、この日は反省を生かし、外角中心に攻めた。

プロ野球巨人などでプレーした伊藤博康監督(50=東北題字に写真)は、いつもは辛口だがこの日ばかりは「最後もどうにか守り切った。ガチ勝負の中で勝てたのは大きい」と選手をたたえた。2回には併殺崩れで岸田脩汰捕手(2年)が、8回には2死二、三塁から相手の失策の隙をついて、佐藤壱星内野手(1年)が、ともに二塁から生還した。雨で土の部分がぬかるみ、人工芝も滑る中、失策も聖光学院の4に対し、わずか1つにとどめた。伊藤監督は「技術面ではまだまだ劣るし、打撃もクリーンヒットがないけど、守備と走塁は春から徹底して鍛えてきた」と納得の表情だ。

昨春は2回戦で聖光学院を下し、そのまま勢いに乗り福島の頂点に立った。次の準々決勝の相手・磐城には昨秋の支部予選、第3代表決定戦いずれも敗れて、センバツの夢を絶たれた。矢板は「簡単には勝たせてくれないでしょうが、ここは絶対に負けられない」とリベンジを誓う。そして「聖光に勝ったからといって浮かれてはいけない。1つ1つ勝っていきたい」と気持ちを引き締めた。【野上伸悟】