小樽地区は倶知安が小樽水産を2-1で下し、初戦を突破した。黒縁メガネがトレードマークのエース右腕、牟田伶司(2年)が9安打も12奪三振1失点で初完投勝利を挙げた。「今日はアウトコースの思ったところに投げられた。目標の初戦突破ができて良かった」と喜んだ。

「平常心は保ててなかったです」。8、9回に立て続けに背負った2死満塁のピンチにエースは「イライラしてしまった」。それでも言葉とは裏腹に「武器」と語る制球力で直球をコースに投げ込み、8回は見逃し、9回は空振りと三振で切って取った。今月就任したばかりの三浦良介監督(50)も「フォームはまだこれからだけど、コントロールは間違いない」とたたえる。新チーム始動後はエース候補4人のうちの1人だったが、自宅前でのダッシュなどで制球力が増した。努力でつかんだ背番号1。土壇場でエースの本領を発揮した。

単独チームでは地区9校中最少の10人で臨む。喜茂別町から約1時間かけて通う牟田を始め、ニセコ町や留寿都村の選手もおり全体練習の時間は2時間ほど。それでも「少人数は良いところもある」(牟田)と練習内容やムードには自信がある。今夏2勝のチームに負けじと秋も1勝。18日の次戦は喜茂別小中時代のチームメート大迫陽斗(2年)がエースを務める小樽双葉が相手。「陽斗に負けない投球をしたい」と力を込めた。【浅水友輝】

▽倶知安・三浦監督(就任初白星に)「しびれました。秋からの新体制。地元の子が外に出てしまう状況。明るく、元気で、楽しく、時に厳しくをモットーに地域の子たちをしっかり育てたい」