ベスト8が出そろった。昨秋県大会準決勝の再戦は、加藤学園(東部1位)が昨年のリベンジを狙う静岡商(中部4位)を2-1で下した。1年生投手の石山拓真と船橋知聖(ともき)が、自責点ゼロで古豪を退けた。秋連覇を目指す藤枝明誠(中部5位)は、初回に4番川瀬譲二主将(2年)が左越えの先制3ランを放ち、西部王者の掛川西を破った。静岡、常葉大橘、三島南、常葉大菊川、浜松商、磐田東も8強入り。準々決勝は22日に行われる。

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加藤学園の1年生投手2人が、3年連続の8強進出に貢献した。先発した樋口巧(こう)投手(2年)が3回先頭に四球を与えて降板。エースナンバーを背負う石山が2番手を務めた。4回に味方の失策で先制を許すも追加点は許さず、6回2安打自責点0と好投。「地区大会と比べて、制球と変化球の質が上がってきた」と手応えを示した。

最終回には船橋が3番手でマウンドへ。得点圏に走者を背負うも無失点で切り抜けた。クローザー起用に「楽しさと同時に責任を感じる。ストライクを先行して、テンポの良い投球を心掛けた」と話した。米山学監督(42)が「全員がエース」と話す通り、継投で伝統校を退けた。準優勝した昨秋は、5試合中3試合が1点差での勝利。新チームにも、接戦での粘り強さが受け継がれている。

投手陣を上級生が援護した。1-1の5回裏に宮崎新那(あらた)二塁手(2年)が、勝ち越しの適時打。9回裏2死一、三塁のピンチでは、佐野陸斗中堅手(2年)が浅い飛球を滑り込んで好捕した。「長打を防ぐため、深めに守っていたが、良い打球判断ができた」と胸を張った。

次の磐田東戦へ向け、石山は「目の前の試合に集中する」と意気込む。初の県大会優勝へ着実に歩みを進める。【古地真隆】