雑草魂で4年後のプロ入りを勝ち取る。昨年の宮城県独自大会で準Vに導いた仙台の鉄腕左腕・鎌田健太郎(3年)が、仙台6大学野球リーグの東北工大(宮城)に進学することが15日までに分かった。

鎌田は昨夏、相手打者を惑わす投球術で甲子園に初出場した98年以来、22年ぶり2度目の夏決勝進出に貢献。仙台育英との決勝は160球の完投も実らず、2-8で敗れたが、同大会6戦で計52イニングのうち51回2/3に登板。特別な夏に計799球を投げ抜いた。

2年冬での体作りと精神面の成長が、頼れるタフネスエースに進化させた。多彩な変化球を生かすために、直球の精度向上を目標に掲げ、週末に1度は必ず行われる近隣の寺での階段ダッシュを、多いときには50本こなして下半身を強化。ハードな練習を常にやり切ることで気持ちも強くさせた。加えて授業間の休み時間ごとに、おにぎりをほおばり、昨秋からは体重を10キロ増加させて夏に挑んだ。「夏は下半身の安定感も増して制球も安定して、球数が増えても疲れにくくなった。練習のおかげです」と効果を実感した。

同リーグは東北福祉大や仙台大などが常に上位へ君臨する。「仙台高校に入ったのも強豪私学を倒したいという気持ちで入ったので、同じ思いを変わらずに持ちたいと思った」と進学理由を説明した。「将来の目標はプロ野球選手。来春から投げられるように、体作りを頑張りたい。リーグ優勝も目指したい」。同大のリーグ制覇は73年春が最後。通算5度目の優勝へ、1年目から桜の開花と同時に、期待のルーキーも花を咲かせる。

◆鎌田健太郎(かまた・けんたろう)2002年(平14)8月26日生まれ、仙台市出身。連坊小1年時に楽天イーグルス・ベースボールスクールで野球を始める。中学時代は楽天シニアに1期生として所属。仙台高に進学後は1年秋からベンチ入り。2年夏は県8強。3年夏の独自大会では優秀選手賞を獲得。185センチ、85キロ。左投げ左打ち。家族は両親。好物はラーメン。好きな野球選手はエンゼルス大谷。