<センバツ高校野球>◇3月31日◇準決勝

5点を奪った直後の大ピンチだった。4回1死二、三塁。明豊の先発、太田虎次朗投手(3年)はここでギアを上げた。6、7番を連続三振。「あそこがポイントだと思ったので、三振を取りにいきました。今日はストレートが走っていました」。太田が振り返った。

「三振の取れる投手は計算できる」。球界でよく言われる言葉だ。東海大相模・石田の存在が際立つが、太田もしっかり三振を奪い勝利に貢献してきた。計4試合、18回2/3を投げて21三振を奪った。奪三振率は10・13になる。

今大会出場投手の昨秋の成績を見ると、実は太田が奪三振率NO・1だった。32回1/3を投げて48奪三振。奪三振率は13・36になる。4位達(天理)、6位畔柳(中京大中京)で石田は7位の10・17。

この日、達、畔柳2投手は先発を回避し、姿を消した。今大会の三振合計は、決勝を前に426となった。前回19年大会(375三振)を上回る。太田が決勝に向けて意欲を語った。「投げる場面があれば、全力を出し切り、日本一の目標が達成できるよう頑張りたい」。決勝も三振が勝負を左右するのだろうか。【米谷輝昭】