昨秋東京大会で準優勝の日大三が主戦の左腕・宇山翼投手(3年)の冷静なピッチングで日大鶴ケ丘に競り勝ち8強入りした。日大鶴ケ丘も公式戦初先発となった左腕・河野集投手(2年)が日大三打線を相手に6安打4失点。きっちり試合を作った。

日大三は3回、それまで2イニング連続で3者凡退に抑えられていた河野から先頭の鎌田慎也内野手(3年)が四球で出塁。直後、川島柾之内野手(3年)がカウント0-1からエンドランを決めて無死一、三塁とチャンスを広げ、宇山の犠飛で先制。さらに星憂芽外野手(3年)の中前打を相手外野手がこぼす間に2点目を奪うなど、この回3点を先制して先手を奪った。

ただ、その後は河野の変化球にタイミングが合わずにフライを打ち上げる場面が続いた。試合後の小倉全由監督(64)は渋い顔。この日が誕生日の同監督だが「3点先制した後の一、三塁の場面で、林がインコースを見送ったところなんですよね。ドーンと4番に据えているんですから、あそこで思い切って狙ってほしかったんですよね」と振り返り、試合を決められる場面でスイングできなかった期待のスラッガーに奮起を促した。

宇山はストレートのキレはあったものの「変化球が決まらず苦しかったです。ストレートは走っていたので、コントロールに気を付けて最後まで粘り強く投げました」と、7安打されながらも2点に抑えたピッチングを振り返った。