札幌日大2投手の好投リレーが春の全道初優勝を呼び込んだ。試合を締めたのは背番号「9」の高谷舟(3年)だった。「全道はここまで(前川)佳央が1人で投げ抜いてくれていたので、最後にチームに貢献しようという思いで投げた」。今春全道初登板の右腕は、思い切り腕を振った。

決勝の先発を志願した背番号「1」の前川佳は、4回までで1回戦からの投球数が計494球と1週間500球の規定に迫り、4回74球1失点で降板した。1-1の5回、交代直前に入った打席だった。内角高めの直球をとらえ、勝ち越しとなる左中間への1発。「取られた分は、自分で取り返してから、高谷につなぎたかった」とリードした状況で後を託した。

高谷はエースの奮闘に応えた。「佳央1人で投げきれない、少しでも助けになればと思った」。8回には伝令でマウンドにやって来た前川佳から「顔が引きつっている。プラスなイメージで」と声をかけられた。1点を失い、なお二、三塁とピンチを背負ったが、空振り三振、一ゴロと後続を抑え、勝利を引き寄せた。5回6安打1失点の好投で春制覇に貢献も「うれしいけど、自分たちの目標は夏の甲子園」と本番の夏を見据えた。【山崎純一】