春季北信越高校野球大会は今日5日、ハードオフ新潟ほかで開幕する。小松大谷(石川1位)と対戦する県1位・新潟産大付は県大会の打率4割7分超の小林和貴遊撃手(3年)が攻撃をけん引する。

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小林はゲームキャプテンとしてグラウンド内を仕切る。声を張り上げ、チームを鼓舞。「プレーについて知ってる自分が言わなきゃいけない」。1年から先発入りする多くの経験がある。試合への気持ちの高め方、失敗経験を元にした成功談も伝えている。

寮生活を送る小林は「常に野球のことを考えている」。動画を参考にしながらの研究にも余念がなく、食事中も仲間に「うるさいと思われるほど」野球の話をすると言う。ただ、考えを押しつけはしない。グラウンド外でも責任感を持ちながら副主将としても役割を担っている。

試合では1番打者としてチームを引っ張る。春季県大会では6試合21打数10安打で打率は4割7分6厘をマークした。「自分が打てば、ほぼ点が入る。自分が打たなければ、ほぼ点が入らない」と自身に重圧をかけながら打席に入っている。持ち味である右方向の長打のさらなる強化へ、約4キロのハンマーでのタイヤ打ちや重いバットを使っての打撃練習でパワーも増した。

吉野公浩監督(54)も「出塁率を上げ、ゲームをかき回してもらいたい。下位でつくったチャンスが来たら、1発で仕留めてもらいたい」と期待する。「欲は出さずに、したたかに1点ずつ取っていく」と小林は初戦の小松大谷戦を見据えた。【飯嶋聡美】

◆小林和貴(こばやし・かずたか)2004年(平16)3月8日生まれ、新潟市出身、五十嵐中卒。野球をしていた兄の影響で保育園の年少から野球を始める。中学時代は新潟シニアに所属。高3で三塁手から遊撃手に転向。右投げ右打ち。170センチ、67キロ。