昨年の夏、秋を制した専大北上(岩手)が、先発の1年生投手岡本歩武の好投で弘前工(青森)に7ー0で7回コールド勝ち。12年以来9年ぶりに春の優勝へ王手をかけた。仙台育英(宮城)は羽黒(山形)を2ー1で下し、14年以来7年ぶりに決勝に駒を進めた。

1年生投手・岡本は6回を6安打2奪三振無失点の内容。初の東北大会のマウンドで落ち着いた投球を見せた。自身の投球を振り返り、「後ろに先輩方がいたので安心して、そんなに焦らないで投げることができました」と語った。

岡本は打撃でもチームに貢献。3回に左中間三塁打を放ち、3点目のホームを踏んだ。「今まであまり打てていなかったので、あの一発で調子を取り戻せたかなと思います」。5回にも四球で出塁し、3番加藤伯内野手(3年)の二塁打で再びホームに生還した。

エースの佐藤瑠聖(3年)は岡本を“スーパー1年生”と評価している。「(岡本は)フォアボールが少なく、きれいにコースに投げ分ける」。その評価通りこの試合の四死球は「0」。14日の決勝に向け「制球力のいいピッチングできるように頑張りたいです」と意気込んだ。

7回からは藤田陽人投手(3年)が継投。昨年10月の新人戦ではエースとして投げていたが、新人戦で肩甲骨を負傷。5月まで思うような投球ができなかった。万全の状態まで回復した今は「もう1度エースに!」と、夏に向けて調子を上げていく。

専大北上は元、現、次期のエース3本柱が切磋琢磨(せっさたくま)し、9年ぶりの春の栄光を勝ち取る。