昨夏の甲子園交流試合に出場した帯広農前主将の井村塁さん(18)が、北北海道大会十勝地区の始球式を務めた。昨夏はエース兼主将として、高崎健康福祉大高崎(群馬)戦に先発。38年ぶりに出場した聖地で6回6安打1失点と好投し、同校の聖地初勝利(4-1)に貢献した。19年に放送されたNHK連続テレビ小説「なつぞら」に登場した十勝農業高校のモデルだったこともあり“なつぞら旋風”と注目を浴びた。

この日は昨夏、甲子園で着用したユニホームを着て、大役をまっとうした。帯広の森のマウンドに立つのは2年秋の十勝地区予選以来。「久しぶりにユニホームを着て、硬式のボールを触って、当時の楽しさを思い出した。あまり練習できていなかったので、少し高めに浮いてしまいました」と苦笑いした。

現在は帯広市に隣接する音更町役場の土木課に勤務しながら役場の軟式チームで野球を続ける。「去年の夏は信じられない結果でした。始球式を務めて、またチームメートを集めて一緒に野球がやりたいと思いました。今年の高校生も、コロナ禍で、たくさんのお客さんの前ではプレーできない状況ですが、見えない応援を信じて、最後まであきらめずにやることが大事。強い気持ちで取り組んでほしい」とエールをおくった。