下田の先発投手で、生まれつき聴力障害のある先天性難聴の内山浩汰主将(3年)が、最後までマウンドに立ち続けた。

初回から毎回走者を許す苦しい展開も、打たせて取る投球で粘った。大会2週間前には腰を負傷。万全ではない体で気力を振り絞った。高校生活最後の試合は、17被安打9四死球で9失点。それでも、1人で175球を投げ抜いた。普段は補聴器を着け、味方の口の動きを見ながら言葉を判断しているという。ハンディを感じさせない堂々とした投球を見せたエースは「悔いはないです。後輩には今年の秋の大会で勝ってほしい」と思いを託した。