<高校野球東東京大会:足立学園5-4駒込>◇10日◇1回戦◇府中市民球場

野球を諦めなかった。駒込(東東京)・小倉颯太主将(3年)は遊撃で好守連発。「親の支えが一番です。肩を治すのに、お金も時間もかけてくれた。プレーを見せられてよかった」と言うと、涙があふれ出た。

捕手だった中2の秋に右肩を痛め、3年夏に野球をやめた。だが、ポニーのチームメートたちの話を聞くうちに、またやりたくなった。そこで、右利きなのに左投げ投手への転向を決意した。「『MAJOR』が好きで。先生にお願いしました」と金丸健太監督(33)に事情を話し、入部を決めた。人気漫画の主人公のような挑戦。最速110キロの技巧派を目指した。

幸い右肩の痛みが引き、昨年に野手復帰。不屈の精神でチームの危機にも立ち向かった。コロナの濃厚接触者になるなどで、エースを含む2年生3人がベンチ入りできなかった。ハンディの中、足立学園相手に最大4点ビハインドを追い付くも、サヨナラ負け。「悔しいです。でも、少ない人数でもやり切りました」。涙をふいた。【古川真弥】