今秋ドラフト候補の智弁和歌山・中西聖輝投手(3年)が投打で上々の発進となった。「気合が少し前に出すぎて体が追いつかなかった」と初回に制球に苦しみ、1点を先制された。しかし打線がその裏に逆転。「野手が声をかけてくれたり、守備でカバーしてくれて少し余裕があった」と立ち直り8回2失点。7回には自ら左翼へソロ本塁打。「たまたま」と話すが、箕島を突き放す一打となった。中谷仁監督(42)は「チーム、ゲームの流れ的に大きかった」とエースの修正力を評価した。

最速147キロ右腕の夏初戦に、7球団のスカウトが視察に訪れた。ロッテ榎アマチーフスカウトは「前回見た時は(球が)高いイメージだったが、全体的に低めに集められている。パワー系でありながら変化球も多彩で柔らかさがある」と評した。最大のライバルである市和歌山について、中西は「勝たないと甲子園に行けない。自分がどうであれ、チームが勝つために腕を振れれば…」と意気込んだ。