<高校野球神奈川大会:桐光学園10-0武相>◇18日◇3回戦◇バッティングパレス相石スタジアムひらつか

武相・豊田圭史監督(37)の甲子園を目指す初めての夏が終わった。「今日は先制された場面が全てです」と淡々と振り返った。

昨年8月に「再建」を掲げ、母校の指揮官に就任した。富士大監督として14年春から18年秋まで10季連続優勝を達成した熱血漢。今年入学した38人の1年生から8人をベンチ入りメンバーに起用し、新陳代謝を促した。

「打倒桐光学園」へ、秘策があった。豊田監督の秘蔵っ子、仲間寛人投手、永嶋心太郎投手、山之内俊亮投手、布川夢人投手の1年生カルテットを1、2回戦で温存。この一戦に、まとめてぶつけるというものだった。だが、甘くはなかった。味方のエラーも絡み、先発仲間が1回1/3 6失点、2番手永嶋が2回2/3 3失点、3番手山之内が1/3回1失点でコールド負け。53年ぶりの甲子園出場の夢は、3回戦敗退ではかなく散った。

しかし、豊田監督は「いいボールがきていた。まだ1年生。楽しみなメンバーです」と前を向く。「2回戦までは思い通りの野球ができた」と収穫もあった。背中でナインを引っ張ってきた佐藤明登主将や、背番号「1」をつけ2試合連続完投で期待に応えた佐藤明日陽投手ら、3年生の活躍も忘れない。「また頑張ります」。その目の奥で、闘志の炎が燃えていた。