今春の県大会準V校で第2シードの東農大二が、2年生エース黒岩光崇(こうたか)投手の熱投で7回コールド勝ちし、3回戦を突破した。

伊勢崎工は初戦、春夏通じて甲子園出場8回を誇る伝統校、前橋商を13-0で下した強敵だが、左腕は「自分のやることをやるだけ」と平常心を貫いた。「球威がないので変化球を低めに集めようと」。四球を出す場面もあったが、走者を置いても動じなかった。

1-1で迎えた4回。女房役の8番吉田翼捕手(2年)に中越え2点適時二塁打が飛び出し勝ち越しに成功すると、自らも左前適時打で続き、さらにリズムに乗った。4回以降は三塁も踏ませず。終わってみれば、7回を投げ、2安打5奪三振1失点。力強い完投劇だった。

173センチと小柄ながら、筋骨隆々で迫力ある体つき。捕手のサインに何度も首を振ったかと思えば、高めに抜けると「ごめん」とジェスチャーで謝る、素直な性格も持ち味だ。

チームは、2回戦市前橋戦の23-0に続くコールド勝ちで、4回戦に駒を進めた。次戦は、高崎健康福祉大高崎対常磐の勝者とぶつかる。「(高崎健康福祉大高崎に)秋は自分のせいで負けてしまった。3年生の思いを背負って任してもらっているので、プレッシャーとか甘いことを言ってる場合じゃない」。その先にある悲願達成へ、全力で左腕を振り抜く覚悟だ。