07年夏の甲子園で「がばい旋風」を巻き起こした佐賀北が、当時を彷彿(ほうふつ)させるサヨナラ劇で4強入りを決めた。

主役はエースの荒谷紘匡(ひろまさ)投手(3年)だ。0-0の9回無死一塁で救援登板。先頭に右前打を許したが、後続を3者連続三振で断ち切った。「絶対に抑えるという気持ちだけでした」。最終回の攻撃では、1死二塁から試合に終止符を打つサヨナラ適時二塁打。エースが投げて打って、最後はナインから祝福を受けた。「今までバッター陣に助けてもらっていたので、今度は自分がみんなを助けるんだと思ってました。うれしかったです!」。人生初のサヨナラ打を心から喜んだ。

14年前、夏の甲子園決勝で副島浩史氏(現唐津工監督)が逆転満塁弾を放つなど、ミラクルで全国制覇を果たした佐賀北。本村祥次監督(27)も「さすがエースとしか言いようがないです」と、「がばい」活躍をした荒谷を称賛した。【只松憲】