松商学園(長野)が長野日大を下し17年以来4年ぶり37度目の甲子園出場を決めた。3回に先制を許した。接戦となった準決勝の高遠戦以外はコールド勝ち。慌ててもおかしくない状況もチームは積み重ねてきた落ち着きがあった。

4回、準々決勝の上田西戦で左人さし指を裂傷し5針縫った野田留輝捕手(3年)が必死に走って内野ゴロ併殺を免れた。後続の二塁打で同点のホームを踏み「足は遅いんですが、いつでも全力疾走はチームの決まりごとです。セーフになって良かったです」。7回、上田西戦で2発、高遠戦でも1発と本塁打を量産してきた熊谷大生内野手(3年)が自発的に引っ張るバッティングを戒め、センター方向へとどめの三塁打。「やっぱりつなぐバッティングをしてみんなで勝ってきたので、最後も後ろにつなぐ意識でセンター方向へと思って振りました」。

選手が自分がすべきことを理解して打席に入る。足立修監督(57)は「いろんなことがあったが、よく成長してくれた。ありがとう」と、インタビューの壇上からベンチ前で整列する選手に脱帽して頭を下げた。2番手で登板した今井英寿投手(3年)の復調も含め、甲子園での活躍が現実味を増す勝利だった。【井上真】

◆選手権大会の出場回数 昨年までの最多出場は北海(北海道)の38度で、松商学園の37度目は北海に次いで2番目に多い。春夏を合わせた回数は53度目。春夏の通算出場回数では、龍谷大平安(京都)の75度が最多で、53度以上は松商学園で5校目。