春の県王者、新潟産大付は開志学園に7-0の8回コールド勝ちし、夏は初の決勝進出。エース西村駿杜投手(3年)が8回を6安打、8奪三振で完投した。決勝は27日、ハードオフ新潟で行われる。

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万全な仕上がりを新潟産大付・西村が披露した。4回表には140キロ台を連発。開志学園の4番松井貴也(3年)との対決時には自己最速タイ142キロをマーク。速球の威力に加えて、8回で四球は1と制球も安定する。1回表、先頭打者にいきなり初球から3球連続でボール。それでも「コーナーを狙いすぎた。思い切って腕を振った」とすぐに修正し、見逃し三振に仕留めて見せた。

6安打8奪三振。準々決勝まで4試合で59得点の開志学園打線に三塁を踏ませない。今大会5試合中3試合に登板し、計14回2/3を投げ無失点。吉野公浩監督(54)が「暑さで多少の失点はあると思っていたが、予想以上」と言うほど、圧倒的な内容でチームを夏、初の決勝に導いた。

春季県大会で優勝後、疲れを取るために投球練習を制限。走り込みとウエートトレに徹した。練習試合でも5、6回で降板。投げたい意欲を抑えて夏にあわせた。そんな西村に代わって今大会ここまでマウンドを仕切ったのは仙田裕汰と吉原大翔(ともに3年)。「2人が頑張ってくれたおかげ」と仲間に感謝する。そして「ここから抑えるのが自分の仕事」。

決勝の相手は2年ぶりの甲子園を狙う日本文理。「力を出し切りたい」。勝てば柏崎市のチームとして初の夏甲子園。歴史的な優勝へ、エースが気持ちを引き締めた。【斎藤慎一郎】