大会本部が午前7時2分に広報メールを報道陣へ一斉に送信した。「天候不良のため、本日8月15日第1試合の開始を午前8時から遅らせます。天候の回復を待って、試合を行う予定です」。

雨が甲子園にたたきつける。内野は池のように水がたまっている。マウンドと打席付近は防水シートが敷かれるが、ずっと内野全面を覆う超巨大のシートは敷かれていない。普通に考えれば、シートを敷いている方が風雨にさらされないからいいのではないか。そんな疑問がわくが、阪神園芸の甲子園施設部長を務める金沢健児さん(54)はかつて「マウンドからベンチに向かってゆるやかな傾斜になっていて、雨が水を流していってくれる」と話していた。

ノーゲームになった12日のノースアジア大明桜(秋田)対帯広農(北北海道)でできたスパイク跡も、なだらかにならされていく。あえて人の手を加えず、自然の摂理に委ねる。この日は仕切り直しの一戦だ。試合開始予定時刻だった午前8時、雨は降り続くが、いまはただただ待つ。