<全国高校野球選手権:大阪桐蔭7-4東海大菅生>◇17日◇1回戦

4回から2番手で登板した東海大菅生(西東京)・本田峻也投手(3年)は、5回にぬかるんだマウンドに足を滑らせ2度、転倒した。雨中で制球に苦しみ1点を失い、さらに連続四球などで満塁としたが、後続を中飛に打ち取った。

「雨の割には、腕を振れて投げられたかなと思います」と4イニングを5安打3失点。「打ちたくないです」と苦手だった打撃でも、2安打1打点と投打で奮闘した。

悔しい春を乗り越えての夏だった。今春センバツ準々決勝の中京大中京戦では肩の違和感があり、5回を4安打6四球の6失点。「この悔しさは甲子園でしか晴らせないんです」。センバツ後から5月中旬までの完全ノースローをへて、肩は完治。この甲子園は、万全な状態で迎えられた。

8回途中、無念のコールドゲームを若林弘泰監督(55)から伝えられ、「『うそだろ』と思いましたけど、審判さんが手を上げてるのを見て、現実を受け入れるしかないなと」。

この日の悔しさは、今後の野球生活で晴らす。「プロ野球に行きたいです。その中でも一流の選手になりたいです。苦しいことがたくさんあると思うんですけど、野球が大好きなので。これからも続けていきたいです」。すがすがしい表情で甲子園を後にした。【阿部泰斉】