出場49校が21日までに初戦を終えた(智弁和歌山は不戦勝、宮崎商は不戦敗)。ベースボールライターの小関順二氏が大会注目選手を挙げながら、初戦を総括した。

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今大会ここまで目立ったのは投手の内角攻めだ。ストレートがただ1人150キロを計測した風間球打(ノースアジア大明桜)はカーブ、スライダー、フォークを織り交ぜて緩急を操るだけでなく、内角攻めでも変化球を用いて打者の踏み込みを許さなかった。風間ほど速さのない深沢鳳介(専大松戸)、阪上翔也(神戸国際大付)、秋山正雲(二松学舎大付)も果敢に各打者の内角を突いて強豪校の打線を封じたが、雨で足場が悪くなったマウンドで7回を投げ4失点を喫した松浦慶斗(大阪桐蔭)の内角攻めも強く記憶に残る。

投手が内角を攻めれば、打者がそれに対抗するのは当然だ。高校野球のセオリー「おっつけて逆方向」より目立ったのは、メジャーリーグで活躍するエンゼルス大谷ばりの「フルスイングで引っ張る」スタイル。金子京介(盛岡大付・一塁手)の力強いスイングを皮切りに、大阪桐蔭の花田旭(外野手)、前田健伸(一塁手)が続き、2番で強打者というメジャーの常識には高松商の2年生、浅野翔吾(外野手)が挑んでいるように見えた。捕手では二盗を阻止する1秒78の強肩を見せた日本文理の竹野聖智(2年)に驚かされた。(ベースボールライター)