智弁学園(奈良)が、夏の甲子園で初の決勝進出を決めた。

小畠一心投手(3年)の3ランで先制した。4回2死一、二塁から甘く入った116キロスライダーを強振。浜風にも乗ってレフトスタンドへ運ぶ先制の3ランとなった。

小坂将商監督(44)は「打った本人もびっくりしてると思う。僕もびっくりですね」と笑顔をみせた。本塁打の前にはスクイズ失敗の場面があり、「自分自身が助けてもらったと思います。小畠のホームランで本当に雰囲気が変わったので」と感謝しきりだった。

投げても先発で京都国際打線を3安打1失点で完投。最後は空振り三振に仕留めて、マウンド上でほえた。

26日の準々決勝では、明徳義塾(高知)に対して9回に2点を奪って逆転サヨナラ勝ち。前回4強入りしたのは95年。小坂監督が当時主将で、準決勝では「4番中堅」で先発出場も、4打数ノーヒット。試合も1-3で星稜(石川)に敗れた。「あの試合は僕が打ったら勝ってた試合だった。だから、お前らは打って、越えてくれと伝えました」とナインに夢を託していた。

その期待に応え、決勝進出。甲子園の決勝は16年センバツで初優勝を飾って以来。初の夏頂点へ智弁和歌山との「智弁対決」に挑む。指揮官は「あまり意識しすぎても良くないので。6つ目の壁を乗り越えられるように、全員で頑張りたいなと思います」と冷静に話した。