決勝を戦った両校で監督を務め、現在は名誉監督を務める高嶋仁氏(75)が両校をねぎらった。「甲子園で(両校で)決勝をやってくれ、という藤田照清前理事長の言葉が頭に浮かびました」と感無量の表情を浮かべた。

この日はABCラジオで、決勝を解説。4-2の4回無死一、二塁で投手交代に踏み切った中谷仁監督(42)の采配に触れ「あれはキャッチャー目線。(先発の)伊藤はいいピッチャーですが、球種が少ない。中西はいろんな球種で勝負ができる。そこを見定めて投手を代えたのが大きかった。中谷監督は自分の野球をやった」と指摘した。

ただ両校ともに大事な教え子。「中谷監督には『ご苦労さん』とは伝えますが、まだまだこれから。小坂監督にも伝えていますが、まだまだ甲子園に出てぼくの(甲子園最多68勝の)記録を抜いてくれと言ってます」と、名誉監督ならではの言葉で激励した。

孫の高嶋奨哉内野手(3年)はマルチ安打を放ち、7回にはダメ押しの6点目をたたき出した。大会を通じて15打数5安打4打点、と貢献し、監督としての祖父に続く日本一に。「家に帰るのがいやですね。勝ったでえ、って威張られるから」と笑ったあと「必死やったと思う。いいところで打ちました」と、かつて自身も胸に飾った優勝メダルを首にかけた孫をまぶしそうに見つめていた。【堀まどか】