昨秋王者の東日本国際大昌平が、学法石川との延長13回に及ぶ大熱戦を制した。4番斎藤夏輝内野手(2年)がサヨナラの左越え2点適時二塁打を放ち、4番の役割をまっとう。聖光学院は13安打7得点でいわき光洋に快勝。5番山浅龍之介捕手(2年)が、8回コールド勝ちを決める適時打を放つなど、3安打1打点で打線を引っ張った。両校は29日の決勝で対戦する。

タイブレークの延長13回1死二、三塁。斎藤夏が3球目のやや高めに浮いた内角直球を左翼へはじき返した。「ここで打たないとまたピッチャーに迷惑がかかってしまう、ここで絶対に決めてやろうと思っていました」。思いを乗せた打球は左翼手の頭上を越え、チームを救う一打となった。

涙をこらえた。サヨナラ二塁打を放ちチームメートに迎えられ感極まったが、「次の試合もあるのでそこはこらえました」。次戦は秋連覇がかかる決勝戦。泣いている暇はない。「チームの目標は県大会優勝なので、優勝して東北大会に臨みたいです。次は打者で点を取りたい」。今回は投手に助けられた。サヨナラ勝ちの勢いに乗り、決勝戦では打撃陣の奮起を誓った。

投げては、鈴木飛呂夢投手(2年)が12回を12奪三振2失点の内容。3回までは3イニング連続で3者凡退、7回まで毎回奪三振の好投でエースの実力を示した。「ピンチの場面で点を取られず、何とか切り抜けられたのが良かったです」。4回1死、相手2番から5連続安打を浴び2失点。しかし、なおも1死満塁のピンチで見逃し三振、二飛で乗り切った。7、12回にも満塁のピンチを背負うが崩れず、8イニング連続無失点でチームを支えた。決勝に向け、「(相手打線が)つながる前に、自分の力で断ち切れるピッチングをしたいと思います」と連投に意欲を見せた。

昨年の東北大会は準々決勝で柴田(宮城)に10-15で敗北。鈴木は5回1/3を投げ4失点で降板した。昨年の悔しさをバネにチーム一丸でまずは秋を連覇し、第1代表を勝ち取って東北大会に臨む。【濱本神威】