3年ぶり出場の旭川明成が滝川西を5-0で下し、19年ぶりに初戦を突破した。公式戦初先発の背番号1、三上太土(たいと)投手(2年)が自己最長の7回5安打無失点の9奪三振で流れをつくり、8強進出に貢献した。

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旭川明成が、万全の完封リレーで甲子園春夏通算4度出場の難敵を下した。初先発の右腕三上が7回無失点、8回から地区3戦17イニング自責ゼロの1年生左腕、千葉隆広が2回2安打無失点。今春就任の千葉広規監督(44)は「19年ぶり2勝目。初出場みたいなものです。硬さはありましたが、その中で子どもたちが、取れるアウトを取って、少しずつ点を取ってくれた結果」と喜んだ。

地区予選は千葉の影に隠れ計2イニングしか投げていなかった三上が奮闘した。6回1死一、二塁のピンチで二塁走者をけん制で刺すなど、落ち着いたマウンドさばきを披露。「地区は(千葉)隆広に任せてしまったので2人で勝てて良かった」。全道大会前にはボールが高めに浮く課題を克服するため、地面から10センチの高さにひもを張り徹底的に変化球の制球を磨いてきた。この日は94球を投げ無四球。千葉監督は「これで三上にも目途が立った」と手応えを口にした。

滝川市出身の三上にとっては縁深い相手からの勝利だった。兄竜輝内野手(青森公立大4年)は相手の滝川西OBで、17年夏の甲子園に出場。4年前は兄の応援で聖地に行ったが「僕は甲子園未経験の高校で強くしたかった」と旭川明成を選んだ。初戦で兄の母校と対戦し、くしくも19年前に秋全道初勝利を挙げた相手から白星をつかんだ。

準々決勝の相手は旭川実。秋全道での旭川勢の直接対決は初となる。今夏は地区2回戦で対戦し0-2と惜敗。背番号11でベンチ入りしていた三上は登板機会なく「力になれず悔しかった。今度こそ勝利に貢献したい」。雪辱の思いをぶつける。【永野高輔】

▽7回4失点の滝川西・菅原大貴投手(2年) (旭川明成の)三上投手は小学生時代からのライバルだった。悔しいが、この敗戦で学んだことを冬の練習に生かしたい。

◆旭川明成の道大会成績 秋は今回、3年ぶり5度目の出場。創部2年目の99年に初出場し、1回戦で北星学園新札幌(現北星学園大付)に1-10で敗退。02年2回戦(初戦)で滝川西を3-2で下し初勝利。13、18年はともに札幌勢に初戦で敗れている。夏の北北海道大会は3度出場で、19年に初勝利。春の全道大会出場はなし。