日立一が終盤に効果的な追加点を奪い、水戸一を下し3回戦進出を決めた。

日立一は初回、水戸一の公式戦初登板の秋田啓人投手(2年)を攻め、3安打を集めて3点を先制。しかし、その後は80キロ台後半のストレートと、60キロ台後半のスローカーブを操る秋田の前に、2回から6回まで5イニングで散発2安打と封じられた。

試合が動いたのは7回表。水戸一は日立一の2番手広田直士投手(2年)に対し1死一塁とし、ボークで1死二塁に。ここで日立一の石原瞬輔捕手(2年)はカウント1-1からの3球目が空振りとなった直後、素早い二塁けん制で走者を刺しピンチを脱した。石原は「走者の重心が三塁方向にかかっていたので、刺せると思いました。ボークで二塁に進めて苦しかったですが、あそこで走者を刺せたのはよかったです」と振り返った。

その裏、日立一はスクイズで待望の追加点を挙げ、さらに8回にも2点を追加して試合を決めた。

試合後の日立一・中山顕監督(50)は開口一番、「試合に勝ちましたが、勝負には引き分けでした。負けたとは言いませんが、勝てませんでした」と言った。

水戸一が軟投派の秋田を先発に起用したことを念頭に「水戸一さんは腹をくくって、とことん秋田君でこの試合をはめてやろうと勝負に来ました。初回に3点を取れましたが、その後は打ちあぐねました。見ている方は(球威がないから)いつでも打てると感じたかもしれませんが、打って当然という雰囲気の中で途中まで秋田君のペースだったと思います。相手のプラン通りの試合展開でした」と、水戸一に対して敬意を示すように、スコア以上の接戦だったと振り返った。

一方の水戸一の木村優介監督(37)は「うちとしては秋田で試合を作り、攻撃面で日立一さんを攻略したかったんですが。7回のけん制死が大きかったです」と、敗戦を認めていた。また、この日のアップ中に先発を言われた秋田は「勝てませんでした。競った展開で終盤まで試合をつくろうと考えていました。公式戦初登板でしたが、それは言い訳にはしません」と言い、8回を10安打6失点の結果を受け止めていた。