今夏の甲子園で準優勝した智弁学園が、秋季近畿大会初戦で姿を消した。甲子園は19年夏から連続出場中だったが、来春センバツ出場は厳しい状況になった。

先発のエース右腕・大坪廉投手(2年)が東洋大姫路の森と投手戦を繰り広げた。3回に先制点を奪われたが、連打は許さず。粘投を続けたが、8回にこの試合初めての連打となる中越えの適時二塁打を浴び、2点目を失った。「先頭を出してテンポが狂ってしまった」と序盤3イニングすべてで先頭を出してリズムを作れたなかったことを悔やんだ。また今後に向けて、「配球とボールの質が近畿大会では通用しないことが分かったことがよかった。冬は妥協せず、自分に厳しく甲子園を目指してやっていきたい」と前を向いた。

打線は中盤から徐々に捉え始め、5、6回はともに2死一、三塁の好機をつくったが、あと1本が出なかった。6安打完封負けで昨秋近畿大会王者が初戦で去ることになった。最後の打者となった主将の酒井優夢内野手(2年)は「力の弱さを感じた。ふがいない試合だった」と振り返り、「課題はバッティング。つなげられないので冬に鍛えて春に向けたい。ワンランク、ツーランク上を目指して夏に臨みたい」と決意を語った。

初戦敗退となり小坂将商監督(44)は「奈良大会優勝したのも奇跡で、力のなさを感じた。大坪は我慢しながら3回以降はしっかり放った。あとはバッターですね。力不足です」と話した。冬へ向けては「若いチーム。これで甲子園はあとは夏だけ」と気持ちを切り替え、鍛錬に励む。