今夏甲子園で4強入りした近江(滋賀3位)が近畿大会初戦で壮絶なシーソーゲームの末、初戦を突破した。

最大6点あったリードを8回裏に逆転されて8-10と追う展開に。それでも9回に3四死球で2死満塁とすると、打席には5回に2点適時打を放っている中瀬樹内野手(2年)。カウント2ボール2ストライクと追い込まれた5球目。低め真っすぐを振り抜くと、3者を返す逆転の3点適時二塁打。二塁ベース上でガッツポーズ。ナインも呼応するように吼えた。中瀬は「攻めの気持ちを意識して打席に入った。後悔しないようにスイングしようと思った。逆転につながったことがうれしい」と興奮気味に振り返った。

多賀章仁監督(62)も「継投失敗でひっくり返された中で、よく中瀬が打ってくれましたね。最後まであのカウントになってあきらめず、ベンチも非常に良い声が出ていた」と殊勲の一打を打った中瀬ともり立てたベンチをたたえた。

試合は1回に3つの四球から2死満塁とし、6番の川元ひなた外野手(2年)が2点適時左前打を放ち先制。さらに満塁とし、8番大橋大翔捕手(2年)の押し出し死球で3点目を奪った。5回には福西結世内野手(2年)と中瀬に適時打が生まれるなど4得点で6点のリードを奪った。

しかし、投手陣が乱調。左腕の星野世那外野手(2年)ら4投手の継投も、9安打11四死球4暴投。5回に5失点、8回に4点を奪われて逆転される。多賀監督も「7、8、9回は生きた心地がしなかった」とハラハラの展開だった。

甲子園でも投打の軸だった主将の山田陽翔投手(2年)は「4番右翼」で先発出場。右肘を痛めており登板はしなかった。山田は「キャッチボール程度でブルペンには入っていない」と話し、現在は主将として4番としてチームを引っ張る。「夏が終わってから振ることを意識している。ずっと下半身は鍛えている」と持ち前のフルスイングも見せるなど4打数1安打1四球だった。

次戦は24日に2季連続の甲子園出場をかけて金光大阪(大阪2位)と対戦する。