山形中央(山形3位)は、左腕リレーで東北(宮城2位)に7-2で快勝。先発の背番号10瀬野瞬介(2年)が7回2失点、残り2イニングをエース武田陸玖(1年)が締めくくった。

ダブル左腕が躍動した。先発した瀬野が87球を投じ、7回を2失点(自責0)にまとめた。ナチュラルに変化する直球を操り、東北打線を手玉に取る。右打者には食い込み、左打者には逃げていく軌道を描いた。3回までノーヒット投球を披露。三振は4つ。凡打の山を築いた。「コントロールが持ち味。緊張もあったけど、自分の投球ができた」と納得の表情だった。

理想の投手像はDeNA今永昇太投手(28)だ。本家同様に力感のないフォームからリリースする瞬間、指先に力を伝える。最速128キロの直球にはキレがあり、3種類の変化球で緩急をつける。1-0の4回1死三塁のピンチでは、チェンジアップで後続を空振り三振、右飛に打ち取った。

残り2イニングは背番号1をつけた武田が締めた。打者6人をパーフェクト。多田貞春監督は「タイプの質が違います。お互いに左(投手)なので、切磋琢磨(せっさたくま)してくれています」と目を細めた。

甲子園は春夏通算で4度出場しているが、春の聖地へは13年以来遠ざかっている。次戦は23日、青森山田(青森1位)と激突する。瀬野は「これからまた強いチームと戦う。支えてくれた人たちへ感謝の気持ちを持ちながら1球1球に魂を込めながら投げ込む」と闘志を燃やした。9年ぶりの春切符を目指し、マウンド上で左腕を振る。【佐藤究】