日大三島(静岡1位)が来春のセンバツ出場を確実にした。13安打10得点で大垣日大(岐阜2位)に快勝。1984年以来となる春の甲子園出場を濃厚とした。

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日大三島の選手たちは、決勝進出を果たすと、あふれる喜びをかみしめながら整列した。エースで4番の松永陽登投手(2年)は「最も大切な試合だった。自分たちの持ち味である打撃で相手を突き放せた」と振り返った。

試合を決定づける1発だった。6-2の6回1死満塁、松永が打席へ。直球を強振すると、右中間最深部へ高校通算4本目の本塁打を放った。自身初の満塁弾に「いい角度で飛んでくれた」と笑顔を見せた。中学時代までは野手。「投球よりも打撃の方が好き」と話す大黒柱が、バットで存在感を放った。

入念な左腕対策が実った。野口央雅(おうが)外野手(2年)が同点の5回2死一、二塁で決勝打。相手のエース左腕から右前へ勝ち越し適時打を放った。チームは今大会に備えて、大学生左腕を相手に打撃練習。外角低めに逃げる変化球を見極める練習を繰り返した。「内角のボールをしっかりと打ち返せた」と野口。中盤の大量得点の口火を切った。

来春のセンバツ出場を確実にさせただけでなく、春秋通じて初の東海大会優勝にも王手をかけた。松永は「次も投げるつもりで準備する。勝って優勝したい」と熱望。東海王者の称号も手に入れる。【古地真隆】