日本高野連は28日に選考委員会を開き、第94回センバツ高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)に出場する32校(一般選考枠28校、21世紀枠3校、神宮大会枠1校)を選ぶ。

一般選考の選出予想を地区ごとに紹介する。

◆  ◆  ◆

まずは、東日本編。

※◎=当確、○=有力、△=微妙

【北海道地区1校】

◎クラーク

△旭川実

選出は1校のみのため、昨秋北海道大会優勝のクラークで順当だ。

【東北地区2校】

◎花巻東(岩手)

○聖光学院(福島)

△八戸工大一(青森)

△青森山田(青森)

昨秋東北大会優勝の花巻東は、当確と言える。今秋ドラフト候補に挙がる強肩で、高校通算41発の田代旭捕手(2年)、1年生ながら高校通算50本塁打を誇るスラッガー佐々木麟太郎内野手らを擁し、今大会の注目となる。

準優勝の聖光学院も有力だ。エースの佐山未来投手(2年)に加え、東北大会決勝で160球の熱投を見せた小林剛介投手(2年)も控える。

 

【関東・東京地区6校】

<関東>

◎明秀学園日立(茨城)

◎山梨学院(山梨)

○木更津総合(千葉)

○浦和学院(埼玉)

△高崎健康福祉大高崎(群馬)

△白鴎大足利(栃木)

△東海大相模(神奈川)

△桐生第一(群馬)

<東京>

◎国学院久我山

△二松学舎大付

△日大三

△関東第一

昨秋関東大会で優勝した明秀学園日立、準優勝の山梨学院、ベスト4の木更津総合、浦和学院、昨秋東京大会優勝の国学院久我山の5校は順当に確実と言える。最後の1枠となる6校目を関東、東京どちらから選ぶかが争点。関東8強と東京準優勝の二松学舎大付との比較となる。

東京大会の決勝で9回2死まで2点リードしていた二松学舎大付が最有力と見る。逆転サヨナラ負けを喫したが、紙一重の勝負だった。予選を含め、準決勝までコールド勝ちが4試合。投打に危なげない試合を重ねた。

最近では関東から5校、東京からは1校という流れが続いている。しかし、早実と日大三が選出された17年以来5年ぶりに東京から2校選出の可能性は十分ある。

関東から選ぶなら、準々決勝で木更津総合に1-4で敗れた東海大相模が1番手だ。昨年9月から就任した原俊介監督(44)のもと、粘り強い戦いを見せた。

センバツの選考は、地域性も考慮される。東京2校より、関東4強に進出していない神奈川勢を推す声が上がることも考えられる。

 

【東海地区2校】

◎日大三島(静岡)

○聖隷クリストファー(静岡)

△大垣日大(岐阜)

△至学館(愛知)

2校選出のため、昨秋東海大会で優勝した日大三島、準優勝の聖隷クリストファーの静岡県勢が順当となる。

日大三島は20年4月に就任した永田裕治監督(58)が率いる。報徳学園の監督として春夏通算18度の甲子園出場を誇る名将のもと、チームが成長した。聖隷クリストファーは、春夏通じて初の甲子園出場となるか。上村敏正監督(64)は、浜松商と掛川西を春夏計8度の甲子園に導いている。

 

【北信越地区2校】

◎敦賀気比(福井)

○星稜(石川)

△小松大谷(石川)

△富山商(富山)

2校選出のため、昨秋の北信越大会で優勝した敦賀気比、準優勝の星稜で順当だ。敦賀気比はエース、4番で主将を務め、今秋ドラフト候補の上加世田頼希投手(2年)が文字通りチームの柱となる。星稜は、19年夏の甲子園で準優勝するなど春夏計8度の出場に導いた林和成監督(46)の3月末での退任が決まっている。

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続いて西日本編と、21世紀枠候補校。

【近畿地区7校】

◎大阪桐蔭(大阪)

◎和歌山東(和歌山)

○天理(奈良)

○金光大阪(大阪)

○京都国際(京都)

○東洋大姫路(兵庫)

△近江(滋賀)

△市和歌山(和歌山)

昨秋の近畿大会で優勝した大阪桐蔭、準優勝の和歌山東は当確だ。近畿4強の天理と金光大阪も順当。今年のセンバツは大阪桐蔭が昨秋の明治神宮大会で優勝したため近畿は1枠増えた。残り3枠の中で有力になるのは地域性と試合内容を考慮して京都国際、東洋大姫路がリードしているとみる。最後の1校を近江と市和歌山が競う。近江はプロ注目の山田陽翔(はると)投手(2年)を擁し、地域性からも、やや優位だが、近畿大会で投手陣が崩れた大味な試合内容がどう評価されるか。市和歌山は好投手の米田天翼(つばさ)投手(2年)を擁し、昨秋県大会で近畿準Vの和歌山東を破った点が、どう判断されるか注目だ。

 

【中国・四国地区5校】

<中国>

◎広陵(広島)

○広島商(広島)

△岡山学芸館(岡山)

△倉敷工(岡山)

<四国>

◎高知(高知)

○鳴門(徳島)

△徳島商(徳島)

△明徳義塾(高知)

中国の2枠は昨秋の中国大会を優勝した広陵と準優勝の広島商で順当だ。四国の2枠も四国大会を優勝した高知と準優勝の鳴門が決定的。残り1枠を中国4強の岡山学芸館、倉敷工と四国4強の明徳義塾が争う構図になりそう。岡山学芸館は県大会決勝で倉敷工に敗れたが、中国大会の試合内容でやや優位か。明徳義塾は昨夏の甲子園も沸かせた好左腕の吉村優聖歩(ゆうせふ)投手(2年)を擁し、試合巧者の実力をどう評価されるか。高知の選出が順当で、地域性で不利との見方もある。徳島商は高知に8回コールド負けで苦しい。

 

【九州地区4校】

◎九州国際大付(福岡)

◎大島(鹿児島)

○長崎日大(長崎)

○有田工(佐賀)

△海星(長崎)

△興南(沖縄)

△佐賀商(佐賀)

△明豊(大分)

昨秋の九州大会を制した九州国際大付、準優勝の大島が順当だ。4強の長崎日大と有田工も選出が有力だ。

 

【21世紀枠3校】

※地区、校名、昨秋地区大会、甲子園出場の順

北海道 札幌国際情報 道4強 なし

東北 只見(福島)県8強 なし

関東・東京 県太田(群馬)県8強 なし

東海 相可(三重)県8強 夏3

北信越 丹生(福井)県4強 なし

近畿 伊吹(滋賀)県8強 なし

中国 倉吉総合産(鳥取)県準V・中国初戦敗退 なし

四国 高松一(香川)県8強 春1夏3

九州 大分舞鶴(大分)県準V・九州初戦敗退 なし

北信越・東海から東の東日本、近畿から西の西日本から1校ずつ選び、残り1校は東西の地域に関係なく選ぶ。