九州国際大付(福岡)が準優勝した11年以来11年ぶりに8強に進んだ。広陵(広島)との大会屈指の好カード。高校通算28本塁打の1番打者、黒田義信外野手(3年)が4安打4打点と大暴れ。本塁打が出ていればサイクル安打という活躍でけん引した。27日の準々決勝では浦和学院(埼玉)とぶつかる。

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九州国際大付の恐怖の1番打者、黒田が暴れた。まずは0-1の2回。2死満塁から内角高め直球を右前に運んだ。「体が反応してくれました」。逆転の2点適時打に笑顔だ。8回2死一、二塁では右中間への適時三塁打で2点を加えた。1回の二塁打、4回の内野安打を合わせて今大会最多の1試合4安打。サイクル安打にも王手をかけ、チームの全4打点を稼いだ。

「1つ上の先輩なので、負けたくないです」とライバル心を向けるのは注目の2年生4番、佐倉だ。後輩は高校通算10本塁打を放っているが、黒田も28本塁打を誇る。さらに50メートル走はチームトップの6秒0。佐倉とともに、俊足強打のリードオフマンとして打線を支えている。

昨年は4番も経験した。ただ、西武で活躍した楠城徹監督(71)は「1番黒田」に明確な意図がある。「1番はヒットより長打を打ってくれる選手を起用する。ヒットを打って(犠打で)セカンドに送るとアウトを1つ与えて、自分が逆ならホっとする。長打なら無死か1死で三塁に送れる。これが一番大事にしている攻撃パターン」。パンチ力と俊足を兼ねる黒田はその1番構想に最適。黒田も「4番の時も良かったけど、自分は1番の方が向いている」と、役割を自覚している。

昨秋の明治神宮大会準優勝の広陵を退け、準優勝に輝いた11年以来の8強進出。黒田は「次は3回戦。ワンランク上に上がるけど食らい付いていきたい」と引き締める。九州勢最後のとりでには、頼れる1番がいる。【只松憲】

◆黒田義信(くろだ・よしのぶ)2004年(平16)5月26日生まれ、長崎県出身。小1で「大塔小SBC」でソフトボールを始める。日宇中では硬式の「黄城ボーイズ」に所属し、九州選抜にも選ばれた。九州国際大付では1年秋からベンチ入り。高校通算28本塁打。50メートル走は6秒0。180センチ、72キロ。右投げ左打ち。