加藤学園が静岡県内初の適用となった継続試合で、浜松商を14-3の5回コールドで下した。6-0とリードし、なおも攻撃中の3回1死から再開。2日間にわたる“長期戦”も最後まで攻撃の手を緩めず、16安打14得点で快勝した。1日に3回戦が行われ、勝利した8校が夏の県大会シード権を獲得する。

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流れは渡さなかった。加藤学園は、試合再開後の4回。4安打に相手失策も重なり、4点を加えた。続く5回には、4番水田裕翔外野手(3年)の三塁打を契機に5連打を浴びせるなど、さらに4点を追加。一気に畳みかけた。浜松商に反撃の糸口すらつかませず、5回コールドで一蹴。太田圭哉主将(3年)は「継続試合でも、やるべきことができた」とうなずいた。

前日29日。42分間の雨天中断を経て、県内初の継続試合が決まった。未知の一戦に備え、ナインは「心」を整理。軽い筋トレとミーティングを行い、「試合の入り方」を確認した。4安打3打点の井づち駿太外野手(3年)は「0-0の状況と同じように、攻めの気持ちで入った」。この日、チームは守備でも無失策。積極的な姿勢が奏功した。

米山学監督(43)が「『継続』といっても、昨日の流れのままではなかった。難しかった」と振り返った一戦を乗り越え、2年連続の夏シード権獲得まであと1勝に迫った。3回戦では掛川東と対する。井づちは「シード権獲得は通過点。てっぺんを目指してやっていきたい」と力強かった。創部初となる春の県王者に向け、連勝街道を走る。【前田和哉】

※井づちのづちは土に、