東京学館新潟の中町龍之介投手(3年)は不調ながらも無失点で抑えた。先発の羽吹幸隼投手(3年)に続き、エースは6回から2番手で今大会初登板。4回62球を投げて被安打2、3奪三振の内容だったが、納得のいかない表情も見せた。「最後のバッターで球が浮いてしまった。一発、本塁打を打たれていたら流れが変わっていた」。3-1で迎えた9回表2死一、二塁。最後の打者を中飛に打ち取った場面を振り返った。

初登板で緊張もあった。「力んでしまい、コントロールしきれずに荒れてしまった」と言った。4月下旬から肘の痛みを感じていた。投球時にうしろに力が入っていることが原因と気づき、フォームの修正を行い、今大会に間に合わせた。3週間ぶり実戦で、まだ本調子とはいえないが、慌てることはなかった。

「ここまで羽吹や2年生の投手陣で試合を作ってくれた。ここからは自分が作る番。(仲間への)感謝と、チームを勝たせられるピッチングをしたい」。エース番号「1」を背負う中町の言葉は力強かった。【飯嶋聡美】