先発マウンドに上がった明秀学園日立(茨城1位)の石川ケニー外野手(3年)が、投打でチームをけん引し、銚子商(千葉2位)に8回コールドで勝利した。

1回2死二塁。「初回に得点すると、チームに勢いがつく」と、チェンジアップを捉え右越え適時打で先制点を奪った。

マウンドでは、前半は力みで球が上ずる場面もあったが、4、5回はスライダーが決まり3者凡退。5回を投げ4安打1失点。エースの猪俣駿太投手(3年)につなげた。6-1で迎えた8回には1死二、三塁で打席に立つと「猪俣に、もう無理をさせたくない」と、カーブを捉え右越え適時二塁打。コールド勝利を決めた。

主将としてー。石川はチームを助けるにはどうしたらいいのかを常に考えながらプレーしてきた。「打撃でも、投手としても、助けたい」と二刀流に挑戦。野手の練習に週2回の投げ込みと、フル回転。腰の疲労骨折もあったが、医者の許可を得て投げ込みを続け登板に備えてきた。その懸命な姿に金沢成奉監督(55)も心を動かされ、初戦の先発マウンドを託した。石川は「両方やってて自分も楽しい。苦にはならないですね」と笑い飛ばした。

「夏を勝ち抜くには、猪俣1人では苦しい。猪俣を助けるような投球ができるように。次の試合にも備えたいです」。チームの大黒柱として、ケニーは力強く勝利に導く。