東北(宮城2位)は光南(福島2位)に11-1で5回コールド勝ち。伊藤千浩投手(3年)が「4番投手」で出場し、投げては4回無失点。打っては2点本塁打を含む2安打2打点で初戦突破に貢献した。

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背番号「1」の4番伊藤が、地元開催の大舞台に挑んだ相手に投打で躍動した。第1打席は左前打で出塁。続く第2打席は4点リードの3回無死一塁。打席に入る前は相手右腕のスライダーを狙い球に設定したが、初球の高め直球を見逃さなかった。体を高速回転させ、快音を響かせた打球は高々と上がり、左中間芝生席に着弾した。「(体を)開かないようにして体の反応で打てた。いい感触で打てた」と振り返った。

万全な環境でなくても、マウンドでは動じない。9時開始予定の試合は雨天の影響により、2時間13分遅れで開始。「いつ試合が開始してもいいように、常に体を動かしていた」とキャッチボールやストレッチなどで調整した。この日は「寒さや天気に対応できた投球ができた」と打たせて取る投球でアウトを重ね、6点リードの4回1死一、二塁ではギアチェンジ。2者連続奪三振でピンチを脱した。

夏の甲子園出場を狙う名門で「背番号1兼4番」。富沢清徳監督(55)は「『投打ともに引っ張ってくれよ』と言っている。技術以外の部分でもチームリーダーとしても期待している」と信頼を寄せる。今日9日は、昨秋優勝の花巻東(岩手1位)と準々決勝で激突する。

伊藤 いい選手がたくさんいて、礼儀も素晴らしいチーム。こういうチームに勝てないと甲子園もないと思うので1球1球全力でぶつかりたい。

チームに欠かせない主力が、指揮官の思いに応えるべく、王者に実力をぶつける。【相沢孔志】