南北北海道大会の代表校10校が決まった。小樽地区では春全道準優勝の北照が7大会連続の南大会出場を決めた。

北照の谷口ブラザーズが爆発し、58度目の南大会切符を呼び込んだ。主将の兄魁捕手(3年)が4打数4安打1打点。弟塁遊撃手(2年)は4回1死二塁で野球人生初の2ランを放つなど3安打2打点。2人でチーム14安打の半分となる7安打をマークし、コールド勝ちを演出した。

魁は「どんなに点差がついても向かっていく姿勢を貫くことができた。弟が本塁打を打ったので、余計に負けられないという気持ちになった」。塁は「僕は守備で頑張るタイプ。本塁打はたまたま。風に乗っただけ」と謙虚に話した。

2人きりのときは互いに呼び捨ても、グラウンドでは塁は兄を「さん」付け。「会社でも同じ。兄弟でいるときは兄だが、みんなといるときは先輩。そういう緊張感が大事」。兄も、練習では弟という感情を一切捨てることで、組織の長としての役割に徹してきた。

新チーム発足時、魁は石山蓮内野手(3年)とダブル主将を担うも、秋の大会前に交代させられ今夏、再び主将に返り咲いた。今春の全道大会中、上林弘樹監督(42)の発案で、候補者全員が演説し、全部員の投票で1位となり当選。“再登板”に「去年はうまくリードできなかったが、みんなに決めてもらって自信になった。何とか甲子園へとけん引したい」。弟と臨む最後の夏。3年ぶりの南大会王座を勝ち取り、聖地での共闘につなげる。【永野高輔】