三郷北(埼玉)の自称“打たないキャラ”佐藤優空(ゆら)主将(3年)が、大仕事をやってのけた。開幕戦で草加西と対戦。1点を追う2回2死満塁で、初打席が回ってきた。フルカウントから、直球を中前へはじき返し、逆転の2点適時打。「やったー!という感じ」と一塁でガッツポーズを決めた。

169センチ、48キロの細身で打順は9番。「打つキャラじゃないんで」と笑う。それでも「パワーがある人は手首だけで打ち返せるけど、僕はコンパクトにセンターに素直に返す」。大舞台で、普段の心がけが結果につながった。今年4月に赴任したばかりの大熊翔吾監督(34)は「開幕戦のくじを引いてきて、そこでタイムリーを打って、彼は持っているのかな」と主将をたたえた。

先発した背番号4の増田悠人投手(3年)が、初回から右ふらはぎをつりながら続投を志願。9回を被安打7の6奪三振、2失点で完投した。スタンドに駆けつけた吹奏楽部の大きな声援を初めて受け「最初はそれもあって緊張したけど、慣れたら自分の応援に感じられた」と感謝。部員13人とスタンドが、一丸となって手にした白星だった。【保坂恭子】