上尾南のエース茅野光雅投手(3年)は、8安打2失点の完投で初戦突破に貢献した。「『ナイスピッチング!』と記録員としてベンチに入った斉藤さんの声が心強かった」。試合に出ることができないチームメートに感謝した。

上尾南には「女子部員三銃士」がいる。斉藤飛那(とな)さん、野村椛乃(かの)さん、小山七海さん(いずれも3年)だ。斉藤さん、野村さんは軟式、小山さんはソフトボールの経験者。「男子とやる本格的な野球に憧れていた」という斉藤さんの誘いで、3人は野球部に入った。

普段の練習からウエートトレーニングまで、すべて男子部員と同じメニューをこなした。小山さんは「(ソフトボールとの)ルール(の違い)や男子部員とコミュニケーションをとることが大変だった」。練習についていくため、3人で早朝や放課後に自主練習を重ねた。全員が「この2人じゃなかったら、野球部に入ってないし、続けられてない」と感謝を口にしあう。6月には、ベンチ外メンバーの引退試合に3イニングずつ出場。外野を守り、3人とも安打を記録した。

この日はボールガールや記録員として大会に参加。味方の失策が絡んだ6回無死満塁、7回2死二、三塁の2つのピンチも無失点で切り抜けたエース茅野は「仲間がエラーしても自分が抑えるつもりだった」。部員全員が一丸となり、1つでも上を目指す。【星夏穂】