昨夏覇者の日大山形が新庄北に12-5の7回コールド勝利を収め、鬼門の初戦を突破した。昨夏の大舞台を経験した大類興雅投手(3年)と梅津康生捕手(3年)バッテリーを中心に、2年連続甲子園へスタートを切った。

14安打12得点と打線はつながったが、バッテリーには課題が残った。10-2で迎えた7回表、1失点以内に抑えればコールド勝ちと勝利は目前だったが、被安打「3」、与四球「2」で3失点。大類は「本来のピッチングをできなかった。野手のみんなに、本当に申し訳ない。あれだけ打ってくれたのに自分が抑えられなくて試合を長引かせてしまった。エースとして情けないです」と肩を落とした。

大類は昨年11月に右肘の靱帯(じんたい)を損傷。約3カ月のリハビリを経て、エースとして復活を果たした。春の県大会では13回を投げて2失点と好投を見せたが、この日は7回5失点。大類は「投げる前から力が入り過ぎていました。自分で抑えなきゃいけないという考えがあったせいで打たせて取るピッチングもできなかったです」。夏の初戦に緊張し、冷静さを欠いた。女房役の梅津は「真っすぐが甘く、変化球も上ずって完璧な状態ではなかった。その中でも抑えていかないといけないのがバッテリー」と反省した。

昨夏の悔しさを晴らす時がきた。バッテリーは「先輩たちの記録を超える」と口をそろえる。大類は「1つ上の代を終わらせてしまったのは自分のピッチングなので、何としてでも甲子園に行って目標を達成する。そのために、県大会は絶対に優勝したいです」、梅津は「先輩たちの思いも背負っている」と気を引き締める。日大山形が今夏も主役に名乗り出る。【濱本神威】