今春21世紀枠でセンバツに出場した大分舞鶴は初戦(2回戦)佐伯豊南戦(別大興産スタジアム)に8-1の7回コールドで白星発進を決めた。

チームは春夏通じて初出場となったセンバツで初戦浦和学院戦に2安打完封負け。出場計25回を誇る強豪校との力の差を感じたが、得たものもあった。夏初出場、そして同校甲子園初勝利へ、大分舞鶴の長い夏が始まった。

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9安打8得点で22年夏は7回コールド発進となった。河室聖司監督(57)は「特に修正すべき点は見当たらない」とナインの戦いを称賛。順調な初戦だった。

打線は早くから勢いがあった。1回先頭、阿部泰己外野手(2年)の左前打を皮切りに初回から3得点。3回にも2犠飛と適時打などでさらに4点を奪い、7点のリードを取った。マルチ安打で貢献したリードオフマンは「夏の大会は何が起こるか分からない。しっかりと流れを持ってくるために良い戦いができた」。初戦を制したが引き締まった表情だった。

大分舞鶴は21世紀枠でセンバツ初出場。春夏通じても初めての聖地だった。初戦で浦和学院(埼玉)と対戦したがわずか2安打に抑えられ、0-4の完封負け。春夏あわせて25度の出場を誇る強豪校に「全国の壁」を感じさせられた。2安打のうち1本を打ったのが1番打者の阿部。「そつなくプレーしていて、全く隙が見当たらなかった。守備やスイング、どこをとってもレベルが高かった」と名門校の強さの理由を、身をもって感じた。

特に「体の大きさ」に差を感じた。「私学に比べてみんな小さい。トレーナーさんに来ていただいて、体づくりを見直した。栄養士の方にも来ていただいて、サポートしていただいた」。食事の回数を3食から5~6食に増やすなどして肉体改革に入った。自身も体重3キロ増となる70キロで今夏を迎えた。

「目標は甲子園初勝利。そのためにも(大分大会)優勝は絶対」。再び聖地に帰るため、必要な白星はあと4つだ。【前山慎治】

○…エース奥本翼投手(3年)は4回2安打無失点で先発として試合をつくった。3回先頭から連打を浴びたが、失点は与なかった。「コントロール良く、強い球も投げられた」と胸を張った。センバツでは浦和学院に7回4失点。「甲子園は楽しくてすぐ試合が終わった。4失点で抑えられたのは自信にしたい」。聖地で得たものを胸に15日、日本文理大付との2回戦に挑む。