“日立のラオウ”が夏初戦で大暴れだ。日立一(茨城)・鈴木翔登一塁手(3年)が多賀との2回戦で適時二塁打2本を含む3安打3打点。5回コールド勝ちし「最後の夏。1球1球、大事にいった結果です」と身長184センチ、体重95キロの偉丈夫は胸を張った。

堂々と5番を張るが、昨秋まで公式戦出場0。規格外のパワーは誰もが認めるが、出番は遠かった。冬、特訓を始めた。置きティー200球。「タイミングの取り方が下手くそで。力があっても当たらないと意味がない」と毎日1時間かけ、打球方向を意識しながら丁寧に振った。それを見た中山顕監督(51)はあえて1番に置き、経験を積ませた。打てば三振、守ればエラーから徐々に脱皮し、春大会で3試合連続本塁打。付けた呼び名は「日立のラオウ」。オリックス杉本のような体格とパワーだけじゃない。「軟らかく逆方向にも打てるようになりました」と、満を持して夏はクリーンアップに据える。

鈴木翔は本家ラオウの動画も参考にする。その杉本は昨季30歳にして本塁打王。「プロでもすぐにはうまくいかず、苦労された。僕も努力して試合に出よう」と励みになった。目指すは、もちろん甲子園。そうなれば、わが高校野球に一片の悔いなし!!【古川真弥】

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