元阪神の岩田徹監督(55)が率いる大阪偕星学園が、初戦を突破した。3回、相手投手のボークで先制し、下向(しもむかい)光希内野手(3年)、井上翔大内野手(3年)らの3連続適時打などでこの回、5点を奪取。エース森本貫太(2年)が1失点完投で、3年ぶりの夏1勝を飾った。

岩田監督はPL学園(大阪)で84年春夏甲子園で準優勝。三菱自動車水島を経て、88年ドラフト4位で阪神に入団し、引退後は少年野球を中心に指導。今年1月に大阪偕星学園の監督に就任した。普段は人としてあるべき姿を伝え、野球では「まず1つのアウトを大事にしよう」と言って聞かせてきた選手たちがこの日は堅守を見せ、3回の5点を守った。「守りが1番の課題でしたが、いい守りを見せてくれました」と笑顔になった。

夏の大会前、選手たちには「(大阪)桐蔭さんとやろう、桐蔭さんとやるまで勝ちきろう」と明確な目標を指示。選手たちも「よっしゃ!」と応じたという。自身の高校時代は、全国のチームから追われる立場だった。追われるなら、それに負けない努力をしようと自覚し、練習に臨んできた。それがPL学園の強さだった。監督になった今は、史上3度目の甲子園春夏連覇を目指す大阪桐蔭との対戦を目標に、選手たちに成長を促す。