春夏連続甲子園を目指す大島は、昨夏代表のシード樟南撃破で波に乗るノーシードの出水中央を逆転サヨナラ勝ちで下して、同校史上初の夏4強に進出した。

プロ注目で最速146キロエース左腕、大野稼頭央投手(3年)は、11三振を奪う力投だったが、12安打6失点と精彩を欠いた。だが、春夏連続出場への執念で、4-6の9回に一挙3得点して、第1シードの意地を見せた。

大野は、初回から3人で打ち取る上々の立ち上がり。1回の先制で、さらにリズムに乗った。

2回1死二、三塁のピンチから2者連続三振。最後の打者にはさらにギアを上げ、142キロで見逃し三振に打ち取った。

3回に1点を返された。だが2死三塁、相手4番をこの日最速144キロで空振り三振に打ち取り、ほえて気持ちを込めた。

だが、徐々に気迫が空回り。4回2死二塁、前山龍之助三塁手(3年)の一塁悪送球で2-2の同点に追いつかれ、5回2死一、二塁から遊撃内野安打で勝ち越された。6回、またも前山の適時失策で追加点を奪われた。

だが、7回2死走者なしから、大野の左越え二塁打など3連続二塁打で2点差を追いつき、振り出しに戻った。

ただ、大野が息を吹き返せない。直後の7回、11個目の三振を奪う粘投も、3安打を浴びて2失点した。

それでも、春夏連続甲子園への執念で諦めない。9回1死満塁から押し出し四球で1点差。さらに、途中出場の青木蓮外野手(3年)の中飛で同点。なお、2死一、二塁で、8番美島永宝(ながとも)内野手(3年)が中前打して、逆転サヨナラで勝負を決めた。

大野は、ここまで3試合を1人で投げ抜き24イニング3失点(自責2)で、防御率0・75。31奪三振の快投だった。打っても2番として、3試合10打数6安打でチームトップの打率を残した。

この日の大野は不調だったが、チーム一丸で乗り越えた。

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